いつともなくどこへともなく

2001年から続けている、生と死と言葉とのかかわりについて考えたことの備忘録です。

■行き先の書かれていない切符

ただ1分、1秒、生きているだけで、おとずれる悲しみと苦しみがある。日々ひとさじずつ、火薬が盛られているようなものかもしれない。いつかそれは爆発するかもしれない。積もれば積もるほど、爆発の規模は大きくなる。いや、最後まで、爆発せずじまいかもし…

■自由が好き?

先日コメントをくれたid:k-michiさんによる『自由を考える』の書評は、今日の自分たちがなんとなく感じている倦怠感とゆるやかな「憤り」について考えさせてくれるhttp://d.hatena.ne.jp/k-michi/20040214。以下、こちらからのコメントです。 様々な時代的危…

『国見高・小嶺総監督インタビュー 教え子への思い熱く』http://www.sankei.co.jp/databox/Wcup/html/0402/05soc001.htmがよかった。 −−理想の高校サッカー指導者像は 「グラウンド内外を問わず人間教育の場であることを認識し、自分の知識を基準にせず、選…

■枯木灘 インチキと真実の間

ぜんそくの発作がもう10日も続いている。マジで死ぬよ。 中上健次『枯木灘』 ISBN:4309400027 を通読。なにをいまさら・・・という感じだが、まぁそんなもんだ。とにかく繰り返しが多い、という印象が強く残った。蝉の声、と出てくると「あぁ、霊の修験者み…

■二葉亭四迷の言うこと

広告批評の阿部和重氏と高橋源一郎氏の対談。たがいの作品を読んで互いに感激したと告白しあうという、なんとも気持ちの悪い対談になっているのがおかしい。というか・・・『シンセミア』読まずにこの対談だけを読むのは無謀だったかもしれない。 高橋 (前…

■関連リンク

『ARTIFACT -人工事実-』の『いまさらスーパーフラット』 http://artifact-jp.com/mt/archives/200309/superflat.html スーパーフラットって(2chの芸術板、『ARTIFACT -人工事実-』のリンクからコピペ) http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Desert/2264/s…

■スーパーフラットってコトバを知らなかった・・・

どこを経由したかは判然としないが、気がつくと浅田彰氏の『スーパーフラット・アイロニー』http://www.kojinkaratani.com/criticalspace/old/special/asada/techo11.htmlというエッセイを読んでいた。 かねてから日本の伝統美術の平面性と現代のアニメなど…

■苦しみ

ある朝、男は、空間から突出して成長し、男のすべてを圧迫する苦しみに遭遇した。 「くるしい」 男は、そう口に出して言ってみた。男の唇は乾いていた。 苦しみは、遠ざかる気配すらなく、自らを生み出した空間の中で、等比級数的な膨張を続けた。 苦しみを…

■山形浩生氏は叩く相手を間違えていたのではないか(すごく古い話ですね)

高橋源一郎氏の日記http://www.plays.jp/diary/gen1rou/index.htmlによると、中沢新一氏の 『精霊の王』はあまりにも傑作。ここでは、中沢新一はかつてのレトリックは捨てている。重要なのは内容なのだ。では、彼のモチーフはなにか。直接、書かれてはいない…

■オーネット・コールマンを思う

アサヒ・コムの『私の好奇心』というコーナーの、呉智英氏(「くれ・ともふさ」って読むんですね。知らんかった。これってハズカシイ?)の回『失われた共通言語を求めて 』がよかった(ライターがカーツ佐藤というのも泣けるが)。http://book.asahi.com/to…

■焼き鳥屋

かぜを引いた息子に付き合って、1日寝たり起きたり。散歩に出ようとするが、焼き鳥屋に向かう途中、息子がゲロを吐いて引き返す。またゲロかよ。で、焼き鳥屋で持ち帰りを注文するが、帰ってみてみると、頼んだのの3倍くらいの分量入っている。なんてことだ…

■『ポスト・ムラカミ〜』、それから中原昌也のことなど

曇り。妻がつわりでゲロを吐いていた。日中は二度昼寝する。平日、ダラダラと徹夜しすぎで、老境にさしかかった体が疲労しているらしい。夜中になって猛然と読書し始める。この前買った仲俣暁生氏の『文学:ポスト・ムラカミの日本文学 カルチャー・スタディ…

■21世紀の出産

晴れ。妻がまた妊娠したとの知らせが。いろいろな意味で驚くべきことだ。めでたいといえばめでたい。先が思いやられる、とも言える。自分のような人間が、複数の子どもの食いぶちを稼ぎ出さなければならないというのは、傍目には悲惨に映るはずだ。子どもと…

■1000%

歌との出会いはいつも突然訪れる。チェーンが錆びたマウンテンバイクを押しながら家の門を出るときに、口をついて出た軽やかなメロディーは、『キミは1000%』(正確にこういうタイトルかどうかはわからない)。それが、心の中で口ずさんでいるうちに、…

■大魔神のことば

ホームページ(http://kakena.hp.infoseek.co.jp/)のリニューアルを試みて、途中で挫折した。時間ばかりかかって、センスのないまま残った、みじめなホームページ。でも、ほとんど誰も見に来ないのが、ちょっとした救いになっている。中原昌也『あらゆる場…

■原因不明の購買停止

今日は、まぁ、くわしくは書けんが、めまぐるしくも眠い日常だった。新宿紀伊国屋にて仲俣暁生の「日本文学」、ユリイカ、ロラン・バルト特集などを買うが1文字も読まず。夜想が復刊した? すばらしい写真が多数掲載されていたので、ほとんど購入寸前だった…

■痛みと怒り  その1

ここ1、2カ月、育児と仕事にまつわる「無理」がたたったらしく、頭痛に悩まされるようになった。右後頭部の1点から、ズーンと広がっていくような痛みである。さらにある日の午後、屋外の人工芝コートでフットサル(ミニサッカー)をしていて、交錯プレー…

■米によるイラク攻撃に関する覚書

・なぜ日本の戦時報道は、「民間人を攻撃していない」として批判をかわそうとする米国のプロパガンダ戦略に沿った内容のみを伝えるのか? ・個人情報保護法案反対で「連帯」したはずのメディア従事者は、「反戦」ではなぜ沈黙しているのか。 ・【日経】(1/19…

■モーリス・ブランショの死−−永遠の生、永遠の遊び

フランスの小説家・批評家、モーリス・ブランショが死んだ。1907年9月22日-2003年2月20日。享年95歳。まったくの偶然だが、2月20日は、わたしの実母(1930-1980)の命日と同じだった。偶然によって、わたしにとって特別な日付となってしまった。>(『最後の…

書物はあだ花で終わるのか

北朝鮮のミサイルは、だいじょうぶだったのだろうか? 「だいじょうぶ」というのがなにを指すのかは……よくわからないが。太陽政策を継承する盧武鉉氏が大統領に就任ということで、北朝鮮は、ある意味、安心して挑発を行って援助を引き出そうというのだろうか…

地獄は、ほんとうにすぐそこに

03/02/23(日)曇り ●創作(『紙の束』)コーナーに、『にしのはて』という童話?みたいな物語を追加しました。最近の川口外相のしていること、といえば、まぁ、いろいろお忙しいのだろうけれど、印象的なのは、ODA(いわゆる"援助"ですね)先へ米国への支持を…

戦争とアルチュール・R

03/02/03(月)晴れ ●"訳詩"に『永遠』(ランボー)http://kakena.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/data/trad/1044224137.htmlを追加久しぶりの更新です。さて、いわゆる「イラク危機」だが、ロシアのインターファクスが「"Xデイ"は2月後半から3月初旬」と報じ、日…

「自由」ということについて

2002/8/7(水)晴れ。 どこにまぎれてしまったのかと思っていたアレナスの『夜になる前に』が見つかったので、ふたたび読み始める。ごく素朴に、「自由」ということについて考えさせられる。警察国家キューバでは、作家であること、ホモセクシャルであること…

ふたたび夢の話

小高い丘になった公園。 丘の頂上には、石垣が詰まれた上に、灯台に置くような大きなライトがすえつけられている。「世界を照らす光」だそうで、東半球側と西半球側にひとつづつ割り振られている。 俺はそのうちのひとつにとりつき、世界が照らし出される様…

施行まであと7日:住基ネットを考える その1

02/07/29(月)22:23:36 8月5日に、日本国民全員に11桁の番号が振られる。この日から、『住民基本台帳ネットワーク』(住基ネット)の運用が開始されるのだ。わたしとしては、「民主主義」という多数決原理の政治思想を無前提に根拠としてこの"背番号システム"…

たったひとりで歩む友の姿を

02/07/25(木)11:07:26 晴れのち雨20年来の友人Sと落ち合う。 同じ東京に住んでいて、顔をあわせるのは、実に1年半振りくらいである。新宿の某テックス・メックス料理屋を目指すが、水曜日にもかかわらず長蛇の列。みんなめざといな。Sは音楽家。インデペンデ…

男は夢を見た

02/07/21(日)晴れ。01:35:51 男は夢を見た−−ブラジル人の友人が国に帰ることになった。 「結局、一度もいっしょにサッカーしなかったね」 「まぁ、いつの日か、ということで」 「元気で」 「元気で」 バスの見送り。喉が渇いていた。確か麦茶を入れたボトル…

アレナスを読みながら

2002/7/18(木)晴れ。 アレナスを読みながらわたしの読書のしかたは、極端に浮気性である。飽きっぽいというか、気が多いというか、一時期に何冊も平行して読んでいるということが多い。そうしてそのうちの何冊かは結局、最後まで読まれず終いである。ある…

多様性なんていらない

2002/7/8(月)晴れ。 梅雨の中休みということか、一昨日から暑い日が続く。暑っくるしい。電車の中で、ひどく太った男の隣に座った。体重100kgはゆうにありそうだ。髪の毛は、まばらな感じで脱色したボサボサの長髪。手がムクムクしていて、だいたい不…

空と人 の巻

『エコノミークラス症候群』という、いかにも現代的な名称の病気が原因で、サッカー日本代表、高原選手のW杯出場が危ぶまれているという。飛行中、脱水症状や血行の不順によって血栓が生じる病気とのことだが、他人ごとではないな、と思う。エコノミークラス…