いつともなくどこへともなく

2001年から続けている、生と死と言葉とのかかわりについて考えたことの備忘録です。

2004-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『極西文学論―Westway to the world』仲俣暁生 著

ISBN:4794966458考えてみると「文学評論」というジャンルの本自体をしばらく読んでいなかったこともあって、仲俣暁生さんの労作『極西文学論―Westway to the world』に、かなり新鮮な印象を持った。例によって時間があまりないので、以下、思いつくまでに雑…

聖顔布

朝、公園のベンチで淡い色の空を見上げていた。目の前で紅色に色づいている紅葉の葉の上に、背の高い欅の落ち葉がふわりと乗った。高い空で、小鳥がやかましく歌っている。空といい木々といい鳥たちといい、すべてが慎ましく、また同時にひどく無遠慮に見え…

密室から抜け出ること

密室から抜け出るのは容易ではない。というのも、おそらくは自分から入って内側から鍵をかけてしまったはずの密室に、自分では閉じ込められ、外側から鍵をかけられた、と信じ込んでいるらしいからだ。この能動から受動へ、内側の鍵から外側の鍵へのすり替え…

死ぬ気で書く

死ぬ気で書く、という状態を、ごく当たり前の「日常」として、悲壮感なく、むしろ明るく生きる、ということが問われている気がする。……と、これだけでは、読んでくれている人も、なんのことだか、まったくわけがわからないだろう。書くという行為は、言語学…

■世界は無限ではない

3ヶ月以上、更新が滞っていました。文字通り「沈んでいた」状態でした。 見に来てくれていた方、すみません。 バラバラに掲載していた『テルアビブ、一九九八年』http://kakena.hp.infoseek.co.jp/TELAVIV.shtmlという小説を一つのページに、修正してまとめ…