いつともなくどこへともなく

2001年から続けている、生と死と言葉とのかかわりについて考えたことの備忘録です。

FBIテロ捜査官の非業の死 の巻


『田中宇の国際ニュース』の最新号は“テロをわざと防がなかった大統領”。なかなかショッキングなことが書かれている。趣旨は、ビンラディン一族が、こともあろうにブッシュ一族と関係の深いカーライル(軍事産業への投資を主とする金融)のファンドへ投資している歴とした顧客であった、そしてブッシュ政権の上層部が、FBIのサウジアラビア関連のテロ捜査が止めていた、という暴露話だ。いかにもありそうな話ではある。これに抗議してFBIのテロ捜査の最高責任者だったジョン・オニールは責任者の座を自ら降りたのだが、9月11日に、いつもどおりに出勤したニューヨークの世界貿易センタービルにあるFBIのテロ捜査事務所で、非業の死を遂げることになる。

さらにこの項はこう締めくくられる。



<<マイク・ルパートというアメリカのジャーナリストが各種の報道記事を調べたところによると、2001年6月にはドイツの情報機関BNDが911のテロを察知して米当局に通告し、9月の事件発生直前には、イランとロシアの情報機関などが米当局に対して警告を発している。ケイマン諸島では、ラジオ局のリスナー参加型の生番組に911の発生を警告する電話がかかってきて放送されたりした。これらの警告を、アメリカの最上層部はすべて無視したのだった>>



度を越した皮肉は、ときに人を戦慄させるものだ。これなどは最たるものだろう。これが真実だとすれば、ホントにこいつら……(以下略)。金持ち父さんにも限度ってもんがあるんだよ、って感じだ。公権力によって、個々の人間の命は決して、大切に扱われることはない。すべては政治バランスによって決まるのだから、個々の人間は権力との関係を自分なりに見つめなおし、態度を決めておかなければ、「自由」は逃れていってしまうことだろう。自国の警察、軍隊の銃口が自分に向けられる可能性を、決して忘れてはならないのだ。



もともと英語の文献をソースとして独自の解説をつけるというのがこの“田中ニュース”のスタイルだったのだが、“9・11”以降は英文の資料に信が置きにくくなっているという田中氏のコメントはリアルだ(もちろんここ最近は少し事情も変わってきたのだろうが)。

田中氏の情報収集の方法はHot wiredのインタビューに詳しい。ウェブ巡回ソフトとテキストエディター、ある程度の英文読解力があれば誰でもできることをやっている。要は分析力と“スピリット”なのだ。




さて、アフガン復興会議が突然日本で開かれたのにも驚かされたが、今後注目に値するのは、アフガンの新政権と中央アジアの資源開発との関係だ。中央アジアには天然ガスのほか、埋蔵量150億バレルとも言われる石油が眠っている。中央アジアからの石油パイプラインの通り道にあるアフガンには、これまでも米国のUNOCALなど、グローバル企業がアプローチしてきた(石油パイプラインの敷設計画の地図は北沢洋子氏の論文で参照できる)。これらの企業とブッシュ氏との関係はもはや公然の事実と化している。……以降は後日また。



■今日のニュース見出し:

偽装ラベル、雪印食品から指示受け子会社が送る……雪印の体質もさることながら、口に入るものの規制緩和を安易に行なった政府の責任も当然追及されるべきだ。っていうか、そもそも日本の大手メーカー製ハムは、概ねまずい。ヨーロッパのいわゆるハム、ソーセージの味を日本人が知らないと思って、いいかげんなものを売っているような気がしてならなかった。これも一種の詐欺である、と言ったら言い過ぎだろうか。