いつともなくどこへともなく

2001年から続けている、生と死と言葉とのかかわりについて考えたことの備忘録です。

ルーターのIPアドレス

■2002/1/10(木)晴れ■

ずいぶん以前に依頼したADSLモデムがようやく昨日、送られてきた。ふだん、反時代的なことをよしとすることの多いわたしだが、その実、ブロードバンドだとかなんだとか騒いでいるのだから度し難いというべきか。仕事に使う場合、結局のところADSLのほうが安いということで、経済原則に敗れた格好だ。


さっそく繋いでみようということになったが、これがなかなか骨が折れる。モデムとPCを直接繋いでしまえば、通常のアナログ回線の設定より易しいほどなのだが、複数のマシンを繋ぐというので間に、あらかじめ調達しておいたブロードバンドルーターをかませる段になって、さんざん悩んでしまった。CD-ROMに入っている英語のマニュアルでは、ずいぶん簡単そうに書いてあるが、いざ繋いでみるとLANの外に出て行けない。


しばらく弄繰り回した後、ルーター本体の設定をいじっていないことに気が付いた。なんてことだ。マニュアルの隅っこに、ルーターIPアドレスが書いてあり、ブラウザーからそこにアクセスすると、以前別の回線(光)に繋げたときの設定がそのまま残ってしまっていた。これではつながるわけがない。


これでなんとか繋げたが、マックのほうにはでたらめなIPが振り分けられて接続ができないというので、また設定をいじっていたら、今度は線が切れているのではないか、と思われるくらい、ルーターとの信号のやりとりがまったく行なわれなくなってしまった。おいおい。


ルーター自体を何回もリセットしたりしているうちに(もう夜が明けてる)、なぜか、つながった。うまくいった理由がわからないと、たとえ首尾よくいっても不安は残る。が、まぁいいか。


こうした馬鹿げた時間つぶしからわかることは、「複雑化した電子回路は、一度接点での接続が断たれるとどこが切れたのかはわからない。部品全体を取り替えない限り、修理は事実上不可能」だということだ。スイッチ部に電子的な処理を用いることの多い某ソ○ーのAV機器が壊れやすいのは、この辺に理由がありそうな気がする。


この辺の事情は、今日の必ずトクする一言に詳しい。“B級テクニカルラボ”を自称するこのサイトは、技術に対する精緻な観察と哲学、家電品の手入れや再利用法、そしてなにより読み物としてとても面白いので以前からファンだったのだが、最近紙の本にもなった。出版を思い立った編集者も、きっとファンだったのだろう。


“接点問題”に関しては、お年玉特別企画特殊接点復活剤コンタクトZのナゾに記述がある。“特殊接点復活剤コンタクトZ”が含む研磨剤は、「極めて均一な粒状性を持った珪素系殊焼結酸化物」で、「コンタクトZが含有する特殊導電体は極めて均一な粒状性を持っており、過酷な状況でも接点の確実な動作を保証する」という。


<<特殊万能接点潤滑剤コンタクトZは、殆ど無限の用途と可能性を秘めており、地球にやさしい風水工学の精緻なエンジニアリングの結晶と呼ぶにふさわしい>>


さて、恐らくは誰でも身近に持っているはずの「棒状の木質系アプリケーター」に格納されたこのコンタクトZの正体、おわかりになるだろうか?