いつともなくどこへともなく

2001年から続けている、生と死と言葉とのかかわりについて考えたことの備忘録です。

中国の短い物語

■2002/1/8(火)晴れ■

最近、楽しみにしているメールマガジンがある。2、3分で読めるような中国の短い物語を届けてくれるのだが、無料では申し訳ないようなおもしろさである。たとえばこんな感じ。<< 唐の開元年間(713〜741)のことである。

 夜、宮中の一美人が寝ている時、夢うつつのまま何者かにある場所に連れて来られた。美人は朦朧(もうろう)とする意識の中、見知らぬ相手と酒を酌み交わし、あろうことか褥(しとね)まで共にしてしまった>>

うまい。シンプルな語りの見本といった趣である。ボルヘスは、こうした中国の民話や小説に関心をもち、あからさまに影響を受けていたわけだが、さもありなんという感じ。唐の時代の『開天伝信記』という掌編とのことだ。続きは中国の不思議な役人で。バックナンバーも読める。